MacとWindowsの不毛な闘いも過去にはあった

そもそもGUIを作り出したのは、Macを作り出したApple社であることは、案外知られていません。その大もとはゼロックス社にたどり着きます。ゼロックス社のパロ・アルト研究所で開発されたいわゆるGUIは、マウスでコンピューターを操作できるものでした。それを見たApple社は、パーソナルコンピューターの操作方法として採用しようと考えます。

その後、さまざまな流れの末、GUIを採用したMacintosh(マッキントッシュ=通称マック)が1984年に発売されました。

Windowsが生まれたのは1985年のことでした。そのころは、今とはかなり違う雰囲気だったようで(私は見たことがありません)、1987年に発表されたバージョン2を含めて、あまり普及しなかったようです。

Windowsが普及しだしたのは、バージョン3からでした。1992年のWindows3.1がきっかけになったようです。このころから日本でもWindowsを使う人が増えだし、1995年にあの爆発的なヒットとなったWindows95へとつながります。

WindowsもGUIを採用しており、その風貌が、先に発売されたMacのOSとよく似ていることから、裁判沙汰になったこともありました。しかし司法は「Windowsがまねをしたとは言えない」との判断をくだしています。Macユーザーの中には、この話題を持ち出す人がいて、Windowsユーザーとよくぶつかるのですが、最近ではそうした「不毛」な言い合いは少なくなってきています。Mac側も、Windowsのよい部分(とかみんなに知れ渡っているために採用した方が分かりやすいだろうと思われる部分とか)などを取り入れたりしていますので、それはそれでいいのではないかということで……。

何はともあれ、GUIがコンピュータ操作の「あたりまえ」になったのは間違いありません。それをどこの会社が考えだしたのかは、まあ、この際、どうでもいいこととしましょう。大切なのは、GUIの普及により、多くの人にとってコンピューターが身近な存在になったということでしょう。CUIのままだったら、今ほどのパソコン人口は望めなかったと思います。