プログラムを使って機能を拡充する

これまでのページで、ホームページを作る方法としてHTMLとCSSを解説してきましたが、実はこれら以外にもさまざまな手段があります。あなたがWebオーサリングツールを使ってHTMLファイル(タグの入ったファイル)を作ればホームページになりますが、そうではなく、コンピューターに自動的にHTMLを書き出させることもできます。また、HTMLファイルとは別のファイルを用意し、その内容を条件に合わせて取り出して表示させるなども可能です。公開後のホームページ上に閲覧者が記述した内容をデータとして蓄積したり、ホームページ上から直接メールを送るなど、さまざまな事柄が実現できます。ただしこうした機能を付けようとすると、いわゆるプログラムが必要になります。一般的なホームページで見ることができるもののうち、プログラムが必要な機能には、以下のようなものがあります。

  • アクセスカウンタ=ページへアクセスした人の数を自動的にカウントする。
  • 掲示板=BBSとも呼ばれるもので、アクセス者がホームページ上に直接文字を打つことができ、これが記録され、ほかのアクセス者に見てもらうことができるもの。ここで意見のやりとりもできる。
  • チャット=キーボードで「会話」するもの。上記の掲示板は、書き込んだものをアクセス者が読み、それに対してまた何かを書くという流れになるが、チャットは、リアルタイムに相手と対話する。複数での対話も可能。キーボードによるものだけでなく、テレビ電話のように操作できるものもある。
  • アクセス制限=パスワードを入れないとページを見ることができないようにするもの。
  • フォームメール=ホームページ上からメールを送る方法。メールソフトを使わず、ホームページ上に打った文字をそのまま、そのページの管理者等にメールとして送ることができる。

このほか、もっともっといろんなものがあります。

これらはすべて、HTMLだけではなく、プログラムによって実現されています。見た目にはほかのホームページと変わりませんが、プログラムが介在することで、こうしたサービスが可能になるのです。

このように、ホームページとプログラムを絡ませて利用するのものをCGIといいます。CGIとは、Common Gateway Interfaceの略で、ホームページ上から起こしたなんらかのアクション(ボタンを押すなど)がサーバー伝わると、サーバーが別途用意されたプログラムへ命令を送り、プログラムが要求内容を実行してサーバーへ、そしてホームページやその他へ返すというものです。プログラムが介在することで、HTMLだけではできなかったさまざまなことが実現されます。

CGIとは異なりますが、以前はFlash(フラッシュ)が非常によく利用されていました。これは旧Macromedia社(現在はAdobe社が買収)が開発したもので、当初は、ホームページ上に簡単なアニメーションを表示する程度でした。しかしバージョンアップを重ねるごとにどんどん進化し、CGIとの連携や、ビデオの表示までできるようになりました。しかし、セキュリティー系の問題や、スマートフォンやタブレットなどがFlashをフォローしないことと、Flashで実現できたことのほとんどがHTML5をはじめとする近年の技術でまかなわれるにようなったので、現在ではほとんど使われなくなっています。開発元のAdobe社も2020年末にFlashのサポートを終了するとアナウンスしています。