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(9)写真撮影

とにかく前へ出て撮ります

 写真が読者に訴えかける力は、非常に大きいもの。素人の広報担当者でも、写真撮影の基本的なことだけはマスターしておきたいものです。

●とにかく撮ろう

 広報誌の写真というと、それなりのカメラを使って、それなりの腕で撮らないとダメだと思っている人もいるようですが、そんなことはありません。カメラはどんなものでもいいですし、腕は枚数をたくさん撮ることでカバーできます。

 カメラには、大きく分けると一眼レフと自動カメラがあります(35ミリフィルムの場合)。最近では自動カメラの性能が向上していますが、一眼レフには自動カメラにない利点があるのでよく使われます。それは「レンズ交換ができる。シャッタースピードや絞りを思いどおりに調節できる」などです。 

 このうち「レンズ交換ができる」は、大きな意味を持っています。望遠レンズを使えば、遠くのものを大きく写すことができますし、広角レンズを使えば、狭い部屋でも広く写すことができるのです。広報誌の撮影は室内が多いので、望遠レンズより広角レンズのほうがよく使われるようです。

写真 遠景、近景●いろいろな角度で

 写真撮影の方法はいろいろあり、被写体によっても撮り方が変わります。では広報誌用の写真はどうでしょう。基本は同じですが、次のようなことに注意してください。

 まずは、遠景・中景・近景の三種類を撮るということです。総会や大会の写真を撮るとき、慣れない広報担当者は、会場の後ろから、そっとシャッターを切って、おしまいとすることがあります。これでは、会の様子を詳しく知らせる写真にはなりません。壇上の人物がだれなのかも分かりません。

 こんなときは、まず後方から撮りますが、次に、会場のなかほどまで来て撮ります。そして前へ進み、壇上の人のアップを撮ります。今度は参加者の方を向いて、観覧席の全体を撮ります。ついでに参加者のアップも、何人か撮っておきます。これだけ撮れば、レイアウトや記事がどんなものでも、それに合う写真がカメラに収まるはずです。

 なお、これらはすべて、左右両方向から撮ります。レイアウトするとき、もし紙面の右端に写真を持っていったら、人物は左を見ていた方がいいですからね。また対談などでは、二人が互いに向き合った形で掲載されたほうがいいわけですから、両者とも両方向の表情を撮っておきます。もし、二人とも右側だけの写真だったら、誌面に載せたとき対談の雰囲気が出しにくくなってしまいます。

●相手のクセをつかむ

 このほか、イスや脚立に乗って、少し高い位置から撮ることも忘れずに。より多くの人の表情をつかむことができます。またアップを撮るときには、相手が目をつぶったときにシャッターを切らないように注意します。写真を撮ろうとする人を何秒か見ていると、まばたきにクセなどが分かってきますよ。

 そのほか、こんなことにも注意しましょう。

  • フィルム感度(ISO)……屋外では100、屋内では400ぐらいのフィルムを使うといいでしょう。数字が多いほうが感度は上がりますが、画像が少し荒くなります。
  • 被写界深度……絞り調節ができるカメラの場合、絞りをあける(数字を小さくする)ほど被写界深度(ピントの合う前後の幅)が浅くなります。つまり、写される人物の後ろがぼけやすくなるのです。そうすると人物が浮き出て見えます。またレンズが長くなるほど(望遠になるほど)同じ現象が起こります。