本来のDTPとは、印刷物を机上で作ることですが、現在は、編集工程までをコンピュータで行い、出来上がったデータを印刷所へ渡して印刷してもらう形が、最も普及しています。
ということで、まずは印刷の流れを簡単にお話ししておきましょう。DTPが普及する前の印刷業務は、大まかにいうと次のような工程が必要でした。
これらの工程すべてを一つの印刷所が持つ場合もありましたが、工程別に中小の別会社で実施される例も多かったようです。
「編集・デザイン」は、プロダクションやデザイン事務所で行われました。現在でもこれは同じです。
「版下製作」は、版下屋さんと呼ばれる専門の会社で行われることが少なくありませんでした。DTPが今ほど普及する前は、写植と呼ばれる方法で版下を作っており、専用機を持つ版下屋さんに、デザイナーや編集者はお世話になっていました。版下は印画紙であるため、あとからの修正が難しいので、修正部分だけを打ち直し、先に出した版下に、接着剤で、はって直すという方法がよくとられました。
「製版」作業も、印刷所内で行う場合と、専門の会社で行われる場合との両方がありました。ここでは、写真を取り込むだけでなく、モノクロ印刷ではアミ(グレーになっている部分)を乗せたり、カラー印刷では色を乗せたりする作業も行われました。編集者やデザイナーがトリミング(写真などの一部を取り出して使うこと)指示をした写真や、色指定などが、ここでようやく形になりました。
「印刷」工程では、製版工程で作られたフィルムをもとに、紙による大量の複製が行われます。インキ濃度や印圧など、職人技が必要になる工程で、今でもこれは変わりません(一部、すべてをコンピュータによるものもあるようです)。
「製本」工程は、さまざまな製本方法をフォローします。厚紙の表紙で、中身を糸でとじる「上製本」をはじめ、中央をホチキスで留めるだけの「中とじ」、糸や金具などを使わず接着剤でまとめる「無線とじ」など、依頼に合わせた製本が行われます。製本は現在でも、多くが以前のように実施されています。